輪王寺には「輪王寺」という建物はない。日光山にある、仏教に関係するお寺やお堂などの建物をまとめて、輪王寺という。その中心が大本堂で、三仏堂と呼ばれている。三仏堂という呼び名の由来は、3体の本地仏-ほんじぶつ-をまつっていることによる。寺伝によれば、慈覚大師円仁-じかくだいしえんにん-が入山したときに、比叡山-ひえいざん-の根本中堂-こんぽんちゅうどう-を模して建立したと伝える。山岳信仰にもとづき、日光の三山つまり男体山-なんたいさん-、女峰山-にょほうさん-、太郎山-たろうさん-を神体とみて、その本地仏である千手観音-せんじゅかんのん-(男体山)、阿弥陀如来-あみだにょらい-(女峰山)、馬頭観音-ばとうかんのん-(太郎山)の三仏をまつった。
現在、三仏堂で拝観できる本尊は江戸時代初期のもの。当時の優れた技法がうかがわれ、本邦屈指の木彫大座像仏といわれている。3体とも金色-こんじき-の寄木造り-よせぎづくり-で、台座から光背の頂まで約8メートルある。