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●水産庁養殖研究所日光支所-すいさんちょうようしょくけんきゅうじょにっこうししょ-

●水産庁養殖研究所日光支所-すいさんちょうようしょくけんきゅうじょにっこうししょ-
 110年を越える歴史を誇る水産庁養殖研究所日光支所は、明治23(1890)年に現在地の菖蒲ガ浜-しょうぶがはま-に設置された、ふ化場(宮内省)から始まる。その後、昭和38(1963)年まで、日光養魚場としてサケ・マス類の養殖技術の開発と普及活動、そして卵・稚魚の全国への配布などをおこなって、日本の養殖漁業の発展に貢献した。昭和39(1964)年からは、水産庁の研究期間として、「つくり育てる漁業」のさらなる進展を支える各種の基礎的研究をおこなっている。
 サケ・マス類は、世界的に見ても最も重要な水産資源のひとつである。サケの仲間は川で生まれ、海や湖に下ってから大人になるまで数年間をそこで過ごし、再び生まれた川に帰ってくる性質(母川回帰性-ぼせんかいきせい-)をもつ。日光支所は、サケ・マス類の回帰する割合を高めて漁獲高を増やすため、母川回帰性のしくみを研究している。
 たとえば、サケが川をさかのぼる行動は、成熟を制御している性ホルモンや環境要因によって分泌が促進される甲状腺-こうじょうせん-ホルモンなどが脳を刺激して引き起こされるのがわかってきた。また、生まれた川を識別する際には、子どものとき記憶した川のにおいを最も重要な手がかりにすること、沖合から河口に達するまでは、目(視覚)にたよっていることなどが明らかにされた。
 日光支所ではほかにも、健康で成長の速いサケ・マス類の養殖技術、バイオテクノロジーを応用した優良品種づくり、河川湖沼における種苗放流と遊魚管理のあり方、酸性雨や環境ホルモンの影響などを研究している。
 施設内の一部は、1年じゅう公開されていて、樹齢300年を越えるミズナラやウラジロモミなどの森のなかにある大小の飼育池では、ヒメマス、カワマスなどが群泳している。また、昭和11(1936)年建造された旧本館(現在の資料館)では、研究内容を示すパネルやサケの貴重な生態写真などが展示されている。



滝のような流れをつくった観察用魚道


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